ハイボールばかりのウイスキーとの付き合い方を変えてくれたある動画

私自身は飲み初めの頃は、とにかくハイボールでウイスキーを飲んでいました。
それこそ山崎、白州、響、マッカランなどなど有名所を手に入れては、ハイボールにしてうまいなうまいなと感じながらただ美味しいウイスキーを飲んでいることに浸っていました。
そんなウイスキーとの付き合い方を変えたのが、ある人物が映画「男はつらいよ」のワンシーンを真似た動画だった。
このワンシーンを実際の映画で観て、「かっこいい呑み方だな」「これが大人の酒との付き合い方か」と柔らかい感動を覚えたものです。
試してほしい“粋で大人な”呑み方の動画
下記のYouTubeがそのワンシーンを真似たものだ。1分で終わるのでまずはこいつを観てほしい。
寅さん「まず片手に盃を持つ。酒の香を嗅ぐ。酒の匂いが鼻の芯にしーんと染み通ったころ、おもむろに一口呑む。さあ、お酒が入っていきますよと五臓六腑に知らせてやる。そこでここに出ているつきだし。これを舌の上にちょこっと乗せる。これで酒の味がぐんと良くなる。それから、ちびりちびり、だんだん酒の酔いが体に染み通っていく。これが、男の粋な呑み方よ。分かるな、満男」
映画「男はつらいよ 僕の伯父さん」より
この前段階で、青年は日本酒をいきなりグイッと呑みむせてしまう。それを受けて寅さんが動画のようにして呑むことをレクチャーする。そんなシーンだ。
映画では日本酒の呑み方としてレクチャーしているが、私はこれをウイスキーのストレートで実践してみた。
いざ!寅さん流の粋な酒の呑み方をウイスキーでアレンジ実践
日本酒は一般的にアルコール度数15℃前後なので、青年のように一気飲みするとむせてしまうのはわかる気がする。ウイスキーは40℃以上なのでむせるどころではない。
私が用意したウイスキーは白州12年、肴はナッツ。
私「まず片手にストレートグラスを持つ。グラスをクルッと回しながら白州の香をかぐ。白州の匂いが鼻の芯にしーんと染み通ったころ、おもむろにちょこんと舌につける。さあ、白州が入っていきますよと五臓六腑に知らせてやる。そんで用意したナッツを一粒かじる。これで白州の味がぐんと良くなる。それから、ちびりちびり、白州の香り味わいを楽しみながら、だんだん酒の酔いが体に染み通っていく。これがストレートの粋な呑み方よ。わかってくれるだろ。」
たった一杯だけでいい。一度試してみてほしい飲み方を紹介した。
口の中で変化するのをストレートで楽しむ
1. アルコールの刺激と蒸発
ウイスキーのアルコール度数は40%前後と高いため、口に含んだ瞬間にアルコールが蒸発し、口腔内の粘膜を刺激する。この刺激によって、軽い熱感やピリピリとした感覚を覚えることがある。
2. 香りの広がり
ウイスキーに含まれる揮発性の成分(エステル、フェノール、アルデヒドなど)が口の温度でさらに気化し、鼻腔へと抜けて香りが広がる。これを「レトロネーザル・オルファクション(逆行性嗅覚)」と呼び、口に含んでから香りがより立体的に感じられるようになる。
3. 味の変化と複雑さの発現
ウイスキーは、甘味・酸味・苦味・渋味・旨味などが複雑に絡み合っている。最初はアルコールの刺激が強く感じられるが、徐々に甘味(バニラ、キャラメル)、フルーティーな酸味、樽由来の渋味やスパイシーさが広がる。熟成期間が長いほど、これらの要素が滑らかに感じられる傾向がある。
4. 唾液の分泌と口当たりの変化
アルコールの刺激によって唾液が分泌され、ウイスキーが徐々に口の中で薄まり、舌触りや風味が変化する。最初はドライな印象でも、次第にまろやかになり、甘味や旨味が引き立ってくることがある。
5. 余韻(フィニッシュ)の残り方
ウイスキーを飲み込んだ後、喉や口の中に香りや味わいが長く残ることを「フィニッシュ」と呼ぶ。スモーキーなウイスキーなら燻製のような香りが続き、シェリー樽熟成のものなら甘く芳醇な余韻が残るなど、ウイスキーの種類によって違った楽しみ方ができる。
こうした変化はストレートでしか味わえない。こいつを知りたいと思えるような銘柄に出会ったなら、まずはストレートから言ったほうがよさそうに思ないだろうか。
ストレートを楽しむならシングルモルトがおすすめ
ストレートで楽しむなら「シングルモルト」がおすすめだ。
ウイスキーはそれぞれの銘柄が個性を持っており、分類もそのために多様。
初心者の方が知っといた方がいい分類は2つでいいはずだ。
・シングルモルトウイスキー
一つの蒸留所で蒸留・熟成されたモルト樽をブレンデッドしたウイスキー。複雑な香味成分・味わいが特徴的で、蒸留所の置かれた環境や風土、原料、熟成年数や熟成樽、異なった熟成樽のブレンドで個性豊かな仕上がりとなるためウイスキーを楽しむ方はシングルモルト好きが多い。
・ブレンデッドウイスキー
いくつかの蒸留所のモルト(大麦)ウイスキーとグレン(主にとうもろこし)ウイスキーをコスパ良く飲みやすいようにブレンドしたウイスキー。「角瓶」「ジョニーウォーカー」などウイスキーを普段飲まない人からも愛されている銘柄が多い。
ブレンデッドウイスキーにはグレンウイスキーが含まれているため味わいが軽い銘柄が多い。ハイボールとして仕事終わりの一杯、酔いのお供で気軽に飲みたい。価格も比較的手頃。
一方でシングルモルトは、その銘柄の持つ個性と複雑性によって蒸留所の違いやその土地の特徴を味わえるものが多い。ハイボールよりストレートの方がその特徴がはっきり感じ取れるので、ちびりちびりとストレートで楽しみたい。価格はピン・キリ。自分に合った銘柄を見つける楽しさがある。
好みの銘柄があれば良し。なければ初心者にはこれがいい。

アイルランド:ブッシュミルズ蒸留所
容量700mlアルコール度数40%
小売希望本体価格3950円(2025年4月、5220円に価格改定)
3回蒸留によって、非常にクリアで淡い甘さと香りがストレートで味わえる。アイリッシュウイスキーを好きになる銘柄。
今回はここまで!ストレートでおすすめのウイスキーなぞは、あなたの好みとしか言いようがない。それでもあへてということでブッシュミルズ10年を紹介した。3回蒸留していることで、クセを和らげ極端なまでにニュートラルな仕上がりにしてある。初心者・女性でもストレートで楽しめると私は願う。
2025年4月に値上がりが予定されているブッシュミルズ。値上がり後の価格でも満足できる仕上がりの銘柄だ。ぜひ、ご賞味いただきたい。
YouTubeもやっとります!是非是非お越しいただければと思います。
https://www.youtube.com/channel/UC3eLjMDKrTpXBH0DpwpiA6g ミートボールひろゆきチャンネル
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